2014年3月29日土曜日

人と服は

2013年第4クールから2014年第1クールまで、
毎週、一番の楽しみにしていた『キルラキル』(あ、アニメです〜w)

初回でいきなり、胸のすくよな疾走感に刮目。
遂に最“襲”回まで、あの爆走っぷりを貫徹してしまうとは……

いやはや。

製作陣・声優陣の皆様、本当にお疲れ様でした!!!
素敵に上質な作品を、ありがとうございました!!!

毎回、過去数十年に渉る数々の物語をてんこ盛りでオマージュ。尚且つ、
全く新しい物語を、啞然とする位の充填率で描いてくれちゃうんだから。

皆さんの気力・体力が持続してくれて、ホントに良かったよ〜と嘆息。

心配だったのは、そこだけw
物語の行方とか、作品としてのクオリティとか、については、
近年稀に見る、と申し上げて良い程、誠に頼もしい安定感で。

半年間、目一杯、楽しませて戴きました〜vvv

《以下、『キルラキル』および『ハーモニー(SF小説)』のネタバレ御注意!》


さて……

物語の全体像が、概ね明らかにされた第16〜17話(めっちゃ早!)以後、
繰り返し想起させられたのは、伊藤計劃氏の『ハーモニー』だったり。

霧慧トァン・御冷ミァハ・零下堂キアンと名付けられた少女達を、
鬼龍院 皐月纏 流子満艦飾 マコと対照した感想やレビュウは、
今後も、滅多に出ないのかも知れないけれど。

綴りたかったであろう数々の物語を、その脳内に詰め込んだまま、
デビュウ2年程で早逝してしまった、’00年代日本SFの旗手。

彼が未来へ宛てて書き残した“置き手紙”のような小説に対峙して、

「人類は、たとえ服を脱いで裸のサルに戻っても、
 なんだかわけのわからない、生きる力がある限り、
 決して、自分自身の”意志”を捨てたりしない!」

『キルラキル』は、そう力強く応えてくれる物語だった。

曰く「満艦飾は、あーいう子だから〜」
と、美木杉先生のたった一言で片付けられちゃってますけどw

ただの劣等生の筈なのに。志も覚悟も無く流されてた筈なのに。
いつの間にやら、物語をグイグイ駆動する最重要人物になってた。

そんな満艦飾 マコというキャラクタを創出し、
活き活きと描出できる書き手だったからこそ……

鬼龍院 皐月・纏 流子と名付けられた二人の少女は、
世界の命運を左右する“特異点”となってしまいながらも、
宿業から解放され、普通の女子高生に戻る事が出来たのだ。

そして、死病と闘う床にあったが為に……

なんだかわけのわからない、生きる力を持て余した挙げ句、
他者に委ねてしまった零下堂キアンというキャラクタを創出し、

“特異点”となってしまった二人の少女を、奈落へと突き進ませる
友情を描出するしか、道を見いだせなかった、未だ年若い書き手。

奇しくも、彼が逝ってしまった三月……

『キルラキル』が斯くも幸福な結末を迎えてくれた事に、深謝します。


0 件のコメント:

コメントを投稿